なぜ、危険をさらして移動するの?

動物のカルガモ

 

春から夏にかけて、カルガモ母さんが後ろにかわいい子ガモたちを連れてヨチヨチ移動。時には車が行き交う道路を横切ろうとしたり、立ち往生してハラハラさせられる、そんな光景をテレビなどで目にしたこともあるかと思います。少し前になりますが、三井物産ビルのプラザ池から皇居のお堀を目指して引越しする親子の様子が毎年のようにメディアに取り上げられ大きな話題となりました。

 

今やカモたちの引っ越しの光景はこの時期の風物詩のようにもなっています。

 

さて、そもそもカルガモはなぜ産まれたばかりの子どもたちを危険にさらしてまで移動するのでしょう? 

 

普段水辺に住んでいるカモは産卵が近くなると水から離れ、草地の茂みなどに身を隠して卵を産みます。一か月ほどして産まれた雛はすぐに歩き回ったり餌を食べる能力がありますが、カルガモにはお母さんが雛に餌を捕ってきて与えるという習性がありません。

 

そのため、主食である水草や小魚などを食べさせるため雛たちと共に水辺まで移動する必要があるのです。

 

そして雛たちはまだ空を飛ぶことができないため、水辺にたどり着くまでにどんなに危険な道があったとしても、歩いて渡るしかないのです。一見のんびりと散歩しているように見える引っ越し風景も、カモたちにとっては食べ物を得るための必死の行進なのですね。

 

短い足を一生懸命に動かして歩くその姿は周りの人たちも巻き込み、無事に渡り終えるとみんながほっこりとした気分に…。

 

京都の鴨川では警察が出動して誘導

親カルガモと子ガモ

 

そんなカルガモの引っ越しにまつわる心温まるエピソードを一つ。

 

京都市左京区の要法寺にある精涼池では、毎年6月になるとカルガモ親子が700メートル離れた鴨川を目指し移動します。地域の住民はその恒例となった行事を温かく見守り、時に優しく付き添ってサポートしています。

 

2016年も4羽の雛が成長し、母さんカモと共に池を出発しました。途中の難所と言える交通量の多い市道を渡る際は、京都府警川端署から警察官が出動し、車を止めて誘導する場面も。

 

たくさんの温かいサポートを受け約40分かけて無事引っ越しを完了した時には、周りから歓声が上がったそうです。

 

カモたちのかわいらしい行進、そして何より母さんカモが子どもたちを必死で守り先導する姿に多くの人々が心を動かされ、カモを無事渡らせてあげようという輪が広がったのではないでしょうか。

 

実はこのような光景は東京や京都だけでなく日本各地で見られるそうで、もしかすると私たちが住む町でもカモたちの引っ越しを見ることができるかもしれません。